ボルダリングジム向けの掃除機デザイン
課題
ボルダリングジムには手や足をかける岩「ホールド」が取り付けられてられています。ホールドの窪みには、滑り止めの粉、シューズの削れカス、埃などが溜まっていきます。これを水拭きすると、ホールドが水を吸ってしまい手が滑りやすくなってしまうため、掃除機を使用して吸引して掃除しています。 通常、掃除機を肩にかけて壁面を登って掃除していますが、バランスが悪く登りにい上にノズルを持つと、片手がふさがってしまい危険な状態になります。また、移動時にケーブルが引っかかりやすいという課題がありました。そこでボルダリングジムの壁面清掃に特化した掃除機をデザインして製作しました。
Concept-掃除をスポーツに
ボルダリングを楽しむような感覚で掃除できる体験を目指しました。意匠面ではスポーツシーンにマッチするよう、動きを感じられる造形を意識しました。 外周を囲む弾性のあるファブリック素材は、身につけた時の一体感を高めます。掃除機本体をリュクサックのように背負うことで、自由に動き回れます。
ハンズフリーノズル
指の間にはさめる形状で、ノズルを保持したまま、壁を登れる。
ノズルホルダー
本体側面にマグネットが組み込まれており、収納時はノズルをとめることができる。
弾力性があるダンパー
PPを布地でサンドイッチした構造。
軽量で耐衝撃性が高い。
2箇所の回転ジョイント
ホースのねじれを解消し、
手首を自由に動かすことができる。
電源スイッチ
引いてON。もう一度引いてOFF。
手元を見ずに操作できる。
18Vバッテリー
電動工具と互換性があり、
取り外して充電可能。
1回の充電で最大40分稼働します。
スポーティ×機能美
空気の流れを取り込んだスタイリングで、内部の気流がスムーズに流れ、ゴミを効果的に遠心分離します。
ワンタッチでゴミ捨て可能
ボタンを押すとロックが解除され、ダストカップを取り出せます。持ち替えることなく素早くゴミ捨てできます。
掃除後のゴミ捨てが、達成感を感じる心地よい体験になります。
お手入れも簡単
ダストボックスとフィルターは分解して水洗いが可能です。
定期的に洗浄することで、清潔さを保ち吸引力を維持できます。
紹介動画
この掃除機の発表プレゼンと、製作プロセスを動画にまとめました。
ノズルの改良動画
数ヶ月使用してもらった後、フィードバックを受けてノズル形状の改良を行いました。
この時に複数枚の写真から3Dデータを生成する手法を用いたので、方法を解説しました。